穴だらけの歯? |
投稿:箭本 治 |
「みんなの家庭の医学」を見ていましたら、食事で「歯が穴だらけになり、歯が凍みやすくなる」という話が出ていました。
話の要旨としては 「普段の食事のほとんどは酸性である。 そのために、歯の表面のエナメル質が溶かされて弱くなる。 従って、食後すぐ、歯を磨くと、 エナメル質が剥がれ、 その内側にある象牙質に多数の穴が開いてくる。 そのために、知覚過敏が引き起こされる。 従って、歯ブラシは、唾液の再石灰化が進んだ、 食後15分以上後に歯ブラシをすべきだ」 ということだと思います。
この件で少しコメントします。 まず、子供たち(若年者)には当てはまらない ということです。 お話をされていた岡山大学の先生も、 「小・中学生は関係ない」と(チラッとですが)仰っていました。 日本小児歯科学会も、食後の早めの歯ブラシを推奨しています。 詳細はこちらをご覧ください。
私は、食後、歯磨きをしないほうが良いという、 飛躍した解釈が世間に広がることを危惧します。 歯磨きが不十分では、 歯槽膿漏が進行して歯の根が露出します。 乱暴な歯ブラシでも、 歯肉を傷つけて歯の根を露出させてしまいます。 さらに、露出した根の表面に細菌がたまったり、 傷つくことにより、知覚過敏が発症します。 つまり、食後、いつ歯を磨くかよりも、 食後、確実に丁寧に歯を磨くことが大切だということです。
マスコミでは従来の考えをひっくり返すのような話題を、 センセーショナルに伝えますが、 必ずしも、目新しい考え方が正しいわけではありません。 今回の話題も、可能性を示したもので、 充分検証されたものとは思えません。
私の提案としては 子供たちは、食後、早めに歯ブラシをするように指導し、 リズムのある規則正しい生活習慣をつけさせてあげる。 大人たちは、お茶で一服(お茶には歯を強くする成分が入っています)しながら、 食後の余韻を楽しみ、 それから、歯を磨いてはいかがでしょうか。 |
2012年12月11日(火) |
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