糖尿病 |
投稿:箭本 治 |
先日、練馬区歯科医師会館において菅原正弘先生による「糖尿病」の講習会に参加いたしました。 厚労省による平成19年の調査によると糖尿病が強く疑われる人が890万人、糖尿病の可能性を否定できない人1,320万人で合計2,210万人と推定されるそうです。 つまり、日本人の5分の1が糖尿病の可能性ありということになります。 糖尿病の合併症として代表的なものとして、失明の危険がある網膜症、人工透析が必要になってしまう腎症、手足のしびれ、けがややけどの痛みに気づかないなくなるような神経障害があります。 特に、腎症による透析患者の増加は深刻で、日本透析医学会によると慢性透析患者数が2012年には30万人を超えており、世界中の透析患者の2割が日本人だというお話には驚かされました。 そして透析導入の原因疾患の半数近くが糖尿病であるという資料が示されました。 また、糖尿病に罹っている患者さんは様々な病気も併発しているため、糖尿病が原因の透析患者さんは5年で約半分の方が亡くなり、15年では9割近い方が亡くなっているそうです。 今回、歯科医師会で糖尿病の講演があったのは、糖尿病が歯周病(歯槽膿漏)にも関連が深いからです。 糖尿病は、先ほどの3つの合併症だけではなく、様々な病気を引き起こしますが、歯周病も糖尿病の合併症の一つです。 糖尿病は体の抵抗力の低下を引き起こし、血流も悪くし、さらに唾液の減少を引き起こし、それらにより歯周病を悪化させることになります。 従って、歯周病が悪化している患者さんは糖尿病でもある可能性があるので、歯科医師も患者さんに糖尿病の検査を勧めてほしいという趣旨のお話がありました。 又、近年は歯周病が糖尿病を悪化させる可能性があるといわれており、我々歯科医師としては全身の健康を守る意識を持って歯科治療に取り組まなければという思いを強くいたしました。 現在、日本人は世界トップクラスの長寿国です。 しかし、これからは単なる寿命ではなく、自立して生活できる健康寿命を伸ばすことが重要と考えられています。 そのためにも、糖尿病予防は重要な課題と言えるでしょう。 |
2014年1月30日(木) |
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