大震災 |
投稿:箭本 治 |
東日本大震災から、2年が過ぎました。 マスコミでも連日震災関連番組が流されています。 鉄道など施設面では徐々に復興が進んでいるという話もありますが、復興を実感できるのは、まだまだ先になりそうです。 又、原発事故の後始末は、あのチェルノブイリの事故と同様に、もしくは、それ以上に長い時間がかかるのではないかと思います。 私どもの診療室にも避難されてきた方が、患者さんとしてお見えになっていました。 私自身が復興のお役にたてることなど、ほとんどないと思いますが、自らのなすべきことを確実にすることが、日本の復興の一助になると信じて、診療をしていきたいと思います。 今回のような大震災の時、歯科医師はどんな役目があるのかと考えさせられます。 阪神淡路大震災は早朝に起こりましたが、その時、入れ歯を紛失された方が非常に多く、 避難先での栄養摂取が困難をきたした方が多かったと聞いています。 そのため、少しでも早く入れ歯の製作をすることが求められました。 中越地震の時は、夕方に起こったため、入れ歯の紛失はあまりありませんでしたが、避難者の健康維持のため、特に肺炎を防ぐための口腔ケアが主な仕事になったと聞いています。 ちなみに、この地震では私の親戚も被害を受け、自宅が全壊となりました。 東日本大震災では、ご存知のように津波により多くの方が行方不明になりました。 この時の歯科医師の当初の仕事は、口腔内検査によるご遺体の身元確認でした。 昨年、練馬区で行った防災訓練では、救護班の一人として参加しましたが、この時の役目は、多数の傷病者を重症度と緊急性によって分別し、治療の優先度を決定するトリアージでした。 大震災は、その時々により状況が異なり、求められることも異なると思います。 又、大震災を正確に想定することも不可能です。 以前は大震災の被害を、いかに防ぐかを中心に考えられていました。 しかし、東日本大震災以後、被害をいかに少なくするかが課題となってきています。 私たちは、大震災に備え、日頃から自分たちに何ができるかを考え、あらゆる状況に対応できるように心がけたいものです。 |
2013年3月17日(日) |
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